今日からfamily!?

寝ちゃったんだっけ。

ぼうっとそんなことを考えていたら、部屋のドアがいきなり開いた。


「はやてー!」

「あら?真っ暗じゃん」

「電気のスイッチどこだよ」

「あった、あった!」


声と共に部屋の明かりが点いた。

眩しい。


「居るじゃねーか、颯」

「おい!颯が女つれこんでるぞ!」

「え!?誰だよ、その子!」


明るくなった部屋に何やら喧(ヤカマ)しい男性が二人現れた。

ポカーンと颯先輩を見れば、上半身を起こしていた颯先輩は片手で目を覆っていた。


「ハァ…」


颯先輩から出たため息はきっと熱のせいじゃない。


この二人、あたし知ってる。

さっきの電話の相手の“タケル”先輩と、もう一人も颯先輩の同級生の先輩だ。


「せっかく見舞いに来てやったんだからもっと喜べよ!」

「てか、誰だって訊いてんだろー!」


本当にお見舞いに来たのか信じられない程に喧しい。


「うるせーよ。お前らもうちょっと小せぇ声で喋れねぇのかよ」

「お、わり」

「ごめりんこー!」


全然ボリューム下がってないんですけど。

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