今日からfamily!?


“タケル”。

確か颯先輩の同級生にそんな名前の人がいた気がする。

だけど顔は思い出せない。


“行かねー”と言った颯先輩の会話からして遊びの誘いの電話だったのかもしれない。

最近は全く外に出ない颯先輩。

ただ体調が悪かっただけかもしれないけど、颯先輩の友達もきっと心配してるんだろうな。



その電話から数十分後、身動きをしなくなった颯先輩は眠ってしまったみたい。

規則正しく布団が上下する。


あたしもなんだか眠い。

学校では周りが気になって居心地が悪くて、肩が張る。



あたし悪くないのに…。

悪いことなんにもしてないのに…。

はあ、もう疲れちゃった…。



あたしはいつの間にか眠ってた。




―――――――目を覚ました時には肩を揺すられていて、


「おい、起きろ!」


颯先輩の焦った声が聞こえた。


「いつまで寝てんだ!」



あたしは颯先輩の布団に頭を預けた状態で寝ていて、顔を上げれば部屋の中は真っ暗だった。


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