今日からfamily!?
そうだよね。
本当に良かった。
「本当にありがとうございます」
「いいえ」
そう言ってふんわりと理事長は笑った。
すると車は静かに停車した。
いつの間にか飛鷹家に到着していたらしい。
うん。やっぱり学校にかなり近い。
「では行きましょうか。潤さん」
「え?あ、はい!」
理事長があたしの呼び名を“小柴”から“潤”に変えた。
いきなりそう呼ばれてちょっとくすぐったかったけど、理事長との距離が縮まった気がして嬉しかった。
車の外では運転手さんがドアを開けて、あたしが降りるのを待ってくれている。
その慣れない扱いにあたしは急いで車を降りた。