今日からfamily!?


そうだよね。

本当に良かった。


「本当にありがとうございます」

「いいえ」


そう言ってふんわりと理事長は笑った。


すると車は静かに停車した。

いつの間にか飛鷹家に到着していたらしい。

うん。やっぱり学校にかなり近い。


「では行きましょうか。潤さん」

「え?あ、はい!」


理事長があたしの呼び名を“小柴”から“潤”に変えた。

いきなりそう呼ばれてちょっとくすぐったかったけど、理事長との距離が縮まった気がして嬉しかった。


車の外では運転手さんがドアを開けて、あたしが降りるのを待ってくれている。

その慣れない扱いにあたしは急いで車を降りた。


< 34 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop