桃染蝶
カシャン・・・

撃たれたはずなのに桑嶋は
少しも痛くない、ゆっくりと
目を開ける。

「アニキ・・・?」

「おまえ等に言う
 桑嶋組の親分さんは
 今、死んだ
 これで、抗争は終わる

 桑嶋、おまえはもう
 誰でもない、堅気になれ

 堅気にならずに、また
 この俺に歯向かってみろ

 次はねえぞ、必ず遣る」

痺れる兄貴の瞳に魅せられた
男はもう、自分の時代が
終わった事を知る。

「帰るぞ」

こうして、抗争は終結。

桑嶋組は、ここに瞑れ
この先の世にその名はない。

高月組が桑嶋組を倒した
その事実は、あっという間に
極道社会に知れ渡る。

もう、誰も兄貴を高月組を雑魚
だと言うものはいなくなった。
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