桃染蝶
「ねえ、イチヤ
 黙ってないで教えてよ」

「おまえには関係ない
 
 もう、寝ろ」

布団の中から聞こえる
素っ気無い声。

貴方がこの家を出て行くなら
私も、この家を出る。

連れて行ってほしいなんて
言わないから、最後に・・・

どうせ、二人とも出て行くなら
最後に私を・・・

パジャマのボタンに手をかける
花夜子。

布団の中の貴方は、そんな私に
気づくはずも無い。

「イチヤ、出て行って
 暮らしていけるの?

 何、するの?
 
 仕事につくの?」
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