藤井先輩と私。
「メアドは、悠太の携帯からパクッた。ここに呼び出したんは、他でもない悠太のことや」
唐突に杏奈ちゃんが口を開いた。
「どうして藤井先輩のことで私を呼び出す必要が?」
「はぁ!?…それはあんたが!!……もういい。用件だけ言う」
私が何ですか!?
私藤井先輩になんかしたんですか!?
いや、ここは強気で行かなきゃ。
私が何!
私藤井先輩になんかしたっけ?
つーかさぁ、年下なんだから敬語使えよ!
ギロッ
鋭い眼光。
い、言えない…。
強気発言撤回しまーす。
「いいな?一回しか言わへんぞ。しっかり聞くんやで」
「はい。お母さん」
「誰がオカンじゃ!ボケ」
やっぱ関西人のツッコミはI't cool!
「真剣に聞け」
「…はい」
ツインテールを揺らして睨む杏奈ちゃんは、楠木さんと同じぐらいに、いやそれ以上に怖い。
杏奈ちゃんは、私の両肩を掴んで私の目を見つめた。
そしてゆっくり口を開く。
「もう、私の悠太に近づかないで」