藤井先輩と私。
それから私は、ジュディが現れたときのこと、屋台の裏で言われたことをユカ達に話した。
「それで陽依は帰ろうとしてたの」
「うん」
話し終わると、なんだかまた涙が溢れそうになる。
そんな私をユカはまた優しく抱きしめてくれた。
「ユカ…私分かんないの。おかしいよね…なんでこんなに涙がでるのか…自分でもわからないの」
「ばかね、もう陽依のなかに答えは出てるはずなんだけどな」
ユカは、このモヤモヤした気持ちの正体を知ってるみたい。
「なに?」
私がそう問いかけると、
「俺が言うのもなんだけど…それは教えられて分かることじゃないから」
と委員長が答える。
「そうね。…でも陽依は鈍感だからねぇ…そうだ!」
ユカは思いついた顔で、私の両肩に手を置くと、
「ヒントは教えるわ」
「ヒント!?」
ユカ様、もういっそヒントだけじゃなく答えを教えてくださいよ~。
「今度藤井先輩の前で目を閉じてごらんなさい」
「ちょっと柚果!それは…「貴光は黙ってて」
委員長の言葉をさえぎり、ユカは続ける。
「二人きりになった時に、先輩の前で目を閉じるの。そしたら答えがわかるわ」
先輩の前で目を閉じる?
ほんとうにそんなことで答えが分かるの?
なにかのおまじないかなぁ。
「わかった!やってみる」
ユカの後ろでは、委員長がやれやれと言った表情で陽依をユカを見つめていた。