藤井先輩と私。
 



キーンコーンカーンコー…





「陽依、放課後よ!がんばれ!」


えっ!?もう放課後!??

ぼーっとしてたからかな、一日が過ぎるのが早かった。

自分の席から立ち上がって、周りを見渡すと私とユカ以外誰もいなかった。

みんな帰るの早いってば。



「ユカついてきてくれないの?」


「告白くらい一人でいけるでしょ?私はこれから貴光とデートなの」



薄情者!

ユカの時はちゃんとついててあげたのにぃ。



「早くいかなきゃ、先輩待ちくたびれちゃうわよ」


時計を見ると、4時半を過ぎている。


急がなくちゃ。

先輩、帰っちゃう!



「ユカ、行ってくるね!」


「うん、がんばりな」



私は勢いよく教室を飛び出した。



「あわてるとコケるわよ!」


後ろからユカの声が聞こえる。



この歳でコケるわけないじゃん。
ユカったら、私を一体いくつだと思ってんのよ。




ふにゅっ…


え?何か踏んだ?


そう思いながら私の体はどんどん傾いていく。



え?

うそ…






ツルッ…ステーーーンッ!





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