藤井先輩と私。
せっ……せっ………せんぱーーーーーーい!!!!




先輩は私の目の前でユカに向かって、すごい勢いで土下座の体勢。


おでこをぴたっと床につけてる。




先輩一体どうしちゃったの!?



さすがのユカも、この藤井先輩の行動には驚いたようで、一歩後ろに後退。



委員長もあっけにとられた表情をしてるし、ジュディはというと「oh!ポカホンタス!」と、どっかの芸人のギャグをつぶやいてる。






「なんなのよ。そのセリフは!!」







ユカの言葉に先輩は土下座の体勢のまま「…俺なりのケジメや」と答える。




「ケジメってねぇ…私は陽依のお父さんじゃないんだから…そんなセリフ言われても…」





「いいや、ユカは陽依の保護者やろ?いつも守ってたやないか、だから…」




先輩はゆっくりと立ち上がる。




「だから、今度は俺が陽依を守ってくから…」



「ふーん。そういうケジメ?」



「あぁ」




先輩は私の方をむいて優しく微笑む。



私はいまいちよく分かんなかったけど…ユカはちゃんと先輩の言ってること理解してるみたいだから…まぁいいや。






「私は陽依の保護者はお役御免ってこと?…ふーん」



ユカは挑戦的な目で先輩を見る。



「やってみなさいよ。私がずっと守ってきたものをどれだけ守りきれるものかしら!見ものだわね!」








「陽依の笑顔は俺が守り続ける」





先輩…




「陽依を絶対泣かせない。…約束やから」




先輩はそっと、私に小指を差し出す。



私は先輩の指に自分の小指を絡めた。


   
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