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「「ありがとうございました。」」


二人が治療室から出てきた。



和華は松葉杖をつきながら…。



「和華っ有加っ‥。」


私は二人に駆け寄った。



「ごめんね、丗那。」



「えっ!」



「私たちが気付いてあげれてたら‥。」



二人は俯いてしまった。


「違うよっ!私が言わなかったのが悪いの。ごめんなさい!」



私は二人に頭を下げた。



「やめてよ丗那!」


「そうだよ!丗那のせいじゃないから!」


ごめんねっ‥ごめんねっ…。


「丗那、二人は怒ってない。」



そう言って晃平が私の体を起こした。



「ごめんねっ…。」



私が怪我すればよかったんだ…。



私が…。




「帰ろう、丗那。」


「そうそう。今からカラオケでも行く?」



二人はいつもと変わらないテンションで笑ってる。



ありがとう‥二人とも‥。
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