風神Ⅱ
「真城って左利きだったか?」
「そう言えば、パンとかよく左手で食べてたような。」
「気がつかなかった。」
みんながそれぞれ好き勝手言っている。
「あたし、言わなかった?」
「「「「言ってねぇよ。」」」」
大、力、馨、旭の声がハモった。
いったい何回ハモればいいんだ。
「じゃぁ、今言った。」
「おい、それありかよ。」
旭が呆れたように言う。
「それよりも、家に連絡した方がいいな。真城ちゃん、連絡先は?」
「あたし、一人暮らしです。」