風神Ⅱ
「……ごめん、あたし‥」
「なんであんたが謝んだよ。」
修人は呆れたように笑う。
「あたし…助けられなくて。」
あたしは思わず下を向く。修人は傷口をかばうようにしながらあたしの頭を撫でてくれた。
「男が女に助けられるなんて間抜けもいいとこだろ。それよりあんたは大丈夫か?」
「うん。」
本当は殴られたお腹が凄くずきずきする。
でも、あたしなんかより修人の傷の方が痛々しくてそんなこと言えない。
「早く手当てしてきなよ。」
この部屋からでれないあたしは一刻も早く修人に手当てをしてほしかった。