風神Ⅱ
「治るまで入院してもいいがここからだと学校は遠くなるが…」
「いえ、そこまでしてもらう必要はありません。あたしは大丈夫です。」
あたしは秋人さんの提案をきっぱりと断った。
「だが…」
「なんとかなります。右手もありますし。」
あたしは自分の右手をヒラヒラさせる。
「ならさ、誰かの家に泊まればいいじゃねぇか!!」
旭が得意そうに言ってくる。
「はぁ?」
あたしは旭を見る。
「だから、肩が治るまで誰かの家に居候しろよ。」
「そこまでしなくてもいいって。」
あたしは断ろうとした。