風神Ⅱ
「別にいいけど…」
気づかなかったあたしもあたしだ。
最初から見られてたのにわからなかったなんて恥ずかしい。
「…話を戻してもいいかな。」
今まで黙っていた秋人さんが気まずそうに言ってくる。
あ、忘れてた。
「すいません、どうぞ。」
あたしはまだすまなそうにしている皆を無視して秋人さんを見た。
「真城ちゃんがその肩で一人暮らしするのは大変だと思うんだが。」
「そうですか?」
「今回は古傷を痛めただけだが、まだ上げ下げするのはキツイだろう?」
あたしは肩を上げようとするが痛みが走りすぐに下ろす。