風神Ⅱ




「……風雅達が…ですか?」




風斗さんは深く静かに頷いた。




「星は全て当たり前に輝いているわけじゃない、何のかきっかけがあって初めて輝けるんだ。」




風斗さんは微笑んだ。









「人はきっかけさえ掴めば何度だって輝ける、君は今そのきっかけを掴もうとしているんじゃないかな?」







風斗さんの言葉をあたしは心の中で繰り返す。




あたしは輝けるのだろうか。




もう一度、笑えるのだろうか。




唯一、幸せだったと思えたあの頃の様に…





あたしは数年前の記憶を思い出していた。




あたしの横に寄り添って幸せそうに笑っている二人。




思えばあの頃が一番幸せだった。









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