風神Ⅱ
「ただで出ろなんて言わねぇ。出てくれたらお前が朝遅刻しても出席扱いしてやるよ。」
駄目教師の見本だな。
教師とは思えない大五郎の言葉にあたしは呆れ返っていた。
とは言え、出るだけで遅刻しても出席扱いなのは嬉しい。
「…………わかった。」
あたしは渋々頷いた。
大五郎は満足そうに笑っている。
「ただし!!」
あたしは大五郎の前に指をつきだした。
「競技に出て、一位じゃないからって言って約束破るのはなし。」
「おう!!」
大五郎は勢いよく返事をする