365日+1日、飾らない言葉をさがして。< 短編集 >
夜11時を過ぎた頃

ピンポーン!


カギを取り替えるのを頼んでいたから…
とも思ったけど。

翌朝って言ってたし、
だからこんな早く来るわけないし…


ピンポーン!


チェーンをかけたままドアをあけてみた。


「 珀人?どうして? 」


「 さっきもここにいたんだけどね、中林さん! 」


私は、
あの声に安心できたのは珀人だったからなんだね。


「 珀人、一人じゃこわいの。
お願い一緒にいて。
カギの取り替えが済むまででもいいから一緒にいて。 」


ペンダントを無意識に握りしめて珀人に伝えた。


「 今でも持っていてくれたんだね。
オレだけが有紗をずっと好きだったのかと思ってた。
今日泣いて震えている有紗をみて
抱きしめたくて仕方なかった。
ずっとガマンしてたんだ。オレに有紗を抱きしめさせてくれる? 」


「 これからずっと私を抱きしめてくれるの? 」


「 もちろん、
もうあんな辛い思いはしたくないし、
させたくないよ。
有紗を守っていくよ。 」


犯人さんには、
ホントにムカついているけど…
私をずっと守ってくれる珀人と会わせてくれたことだけ感謝しておくわ。


「 犯人捕まえなきゃな!
オレの大切な有紗を泣かせたんだから。 」





end
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