流れ星を探して
アイツのせいだ!

アイツが、びっくりさせるから!

何で、隣なんかに座ってるのよ。

バカッ!

バカッ!

アイツのバカッ!

蘭は、走りながら悪態をついた。

そして、ふっと気が付いた。

確かアイツは、4月から来た、留学生じゃなかったっけ?

外国語コースに、留学生がいるのは聞いていたが、蘭のいる普通科とは校舎が違うために、あまり出会う機会もなかった。

今度、学校で見かけたら、文句言ってやる。

そんなことを考えているうちに、防波堤が見えてきた。

さっき座っていた辺りを見回すが、鞄はどこにもない。

まだ明るいから人通りもあるし、車も通る。

誰かが見つけて、持って行ってしまったのかもしれない。

蘭はガッカリして、防波堤にもたれるように、ズルズルと座り込んだ。

膝を抱えて、頭を乗せる。

春休みに、親類が経営しているレストランでもらったアルバイト代が、3万円入っている。

春休み中、毎日のように働いて、全部で6万円以上もらった。

佐雪に渡すと、半分貯金してくれ、残り半分を、蘭に渡してくれた。

「蘭が働いたお金なんだから、蘭が使いなさい。でも、大切に、感謝して使うのよ」

佐雪はそう言っていた。

お金に執着はなかったが、一生懸命に働いてもらったお金は、嬉しかった。

それを、自分の不注意でなくしてしまうとは……。

悔しい……。

蘭は大きく、咳込んだ。

もう、ダメだ。

力一杯走って、息が苦しくて、どうにかなりそうだった。

心臓の鼓動が、音が聞こえそうなくらいに早い。


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