龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】
「まったく! 相変わらずひどかったよ」

圭吾さんはテーブルの上のコーヒーを一口飲んで顔をしかめた。

「甘い」


だってそれ わたしのだもの


「容子伯母さんときたら梓の売り込みに必死だし、梓は梓で空涙混じりに媚びを売ってくる。そのうち裸で僕の部屋にいても不思議じゃないね」

圭吾さんはすごくイライラしてる。


「わたし、圭吾さんの部屋で鉢合わせしたらどうすればいいの?」

かなり真面目にきいたんだけど、圭吾さんがむせた。


「たとえ裸の梓と部屋にいても僕は無実だ。志鶴は僕の部屋に居座って梓を追い出してくれ」

「分かった」

やはり真面目に返事をしたんだけど、彩名さんが吹き出した。

わたし何か変な事言った?


「わたしたち予定通りデートできる? 二週間は無理?」


心配になってきくと、『できるよ』って圭吾さんがにっこり笑った。

よかった

いつもの圭吾さんだ

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