龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】
「待たせちゃっていいと思う?」

「あんたは相手の事考えすぎよ。友達の事でも圭吾さんの事でもね」

「そうそう。それに圭吾さんが本気出したら、あんたがどこで寝ようと関係ないわ」


ひえっ!


「脅してどうすんのよ、美幸」

「だいたいキスするのさえビビるのに、よく結婚しようなんて気になったわね」

「だって圭吾さんのこと好きなんだもの」

「普通、好きならもうちょっと進むんじゃない?」

「そうね、中学生でも志鶴よりは大人よね」


う……二人ともひどい


「別に取って喰われる訳じゃないんだからしちゃえば?」

しちゃえばぁーっ?

「『キス』をよ。バカね」

ああ、びっくりした


「でも、どうやってすればいいの?」

美幸と亜由美は顔を見合わせて、お手上げって身振りをした。

何よぉ

分からないんだものしようがないでしょ!


「あんたは相手がいるから簡単よ」

亜由美が言った。

「圭吾さんの前に立って『キスして』って言えばいいの」


い……言えるかなぁ


「こりゃ夏休みの宿題になりそうだわ」

美幸がボソッと言った。
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