龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】
「ペース落とすから鼻で息してごらん」


圭吾さんはもう一度唇を重ねた。

今度のキスはゆったりしてる。

そっか

パニクらなきゃ息できる


「息できた?」

「うん」


圭吾さんはわたしの頭を胸に抱き寄せた。


「あんまり無茶しないでくれよ」

「うん」

「あんな思いをするのはもうたくさんだ」

「もうしない」

「怪しいもんだな」


もうっ!


圭吾さんの胸をたたくと、おかしそうに笑う声が胸からわたしの耳に響いた。


< 81 / 86 >

この作品をシェア

pagetop