霊務・ザ・ファイナル(霊務4)

全身の力が抜けた。









顔面は蒼白。










有り得ないとされる人物が、面を外したからだ。











オッサンは、フラフラと前に身を出して、その人物の『名前』を問い掛けた。










「……サ…………キさん……?」













ヒュ~~……









辺りが嫌にひんやりとなる。










礼子も、その名前を聞いて思い出す。











「サキ? あ……あの顔は学校の霊のサキじゃん」











2人の言うこのサキ。











サキは、生まれ変わる前の礼子が初めて霊界に来た時、学校の低霊を統括していた姉御肌のボス。









共に戦い、それは礼子のいなくなった娘の里子との戦いでも、活躍ぶりを見せてくれた。











いつも助けてくれて、面倒見の良いこの人物。







目の前にいるのも、それと全く同じ顔なのだ。










声を聞いた時も似てると感じたが、姿まで同じなら本人と見ていいだろう。











しかし……

なんでまた、そんなお面を……










「本物……ですか?」










オッサンがそう言うと、サキは可笑しかったのかフッと笑う。











「そうさ。見りゃ分かるだろ。まさか、こんなとこでアンタに会うとはね」
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