霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
「キャッ! 何これクーラー!?」
「いや、これはサキさんの特殊能力である氷の力だ!」
しかも、本気である。
周りの塀や看板が、みるみる凍って行く。
そのままサキは後ろを振り向き、去ろうとした時にそっと呟く。
「……朱雀の炎でない限り、アタイのそれからは逃れられないよ。万が一脱出できても、この件にはもう関わらない事だね……」
そのまま去ろうとするサキを、未だ信じられないオッサンは引き止める。
「待て! 君は里子君のとこを襲撃して心が痛まなかったのか!? 何故……何故!! 急に悪の道に!」
すると、最後に一声残してサキは完全に姿を消してしまった。
「アタイは、里子と……いや、アンタ等と出会う前から三鬼神だったんだよ。ずっと昔からね……」
!!
何と……
オッサンは呆然とする……
暇はない!!
とにかく今は、この氷をどうにかしなきゃ!
「ニャ……これもコタツみたいに気持ちいいニャ……」
「オイコラ、眠るなそこの猫! 永眠するわい!」
必死で眠り猫を起こそうとするが、その能力の強さから身動きが取れない。
「見て、どんどん凍るよオッサン! 霊が凍るだけに霊凍だね」
「やかましーわ!!」