霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
くだらないやり取りは終えて、サキから黒ガラスの情報を入手した。
早くしないと、東照宮に居る全ての人達が危ない。
「許さないニャ! たまに食材をこぼすの人間を殺すなんて、我が輩はさせない!」
お前の理由も大概いい加減だなと思うが、意気込む気合いを断つわけにもいかないので放っておいた。
「では礼子君、眠り猫君。私はここでサキさんの介抱をするから、黒ガラスを止めてくれ! 後は君達の力にかかってるんだ!」
黒ガラスがパワーアップしたとなれば、オッサンの出番はもうない。
戦いの邪魔にならぬ為と、こんなとこでサキを放置出来ないので二人に後を任せた。
「分かったよオッサン。屋台を壊す黒ガラス何て許せないもんね! 行くよニャンコちゃん!」
「おう、たこ焼き屋の鰹節を守る為、いざ行くニャ!」
お前ら、いいコンビだよホント。
そのまま走り出そうとすると、サキは特殊能力を手に集中させ、勢いよく地面に叩きつけた!
すると山の下り道は、全て氷の道となるではないか。
「下山するならこのアイスロードを使いな。滑って行った方が早いからな」
これが、サキの出来る精一杯の気持ちである。
「ありがとねサキ! よっしゃ! 麻央ちゃん顔負けのイナバウアーをしながら行くわよ!」
余計な事せんでいいから、早よ行け。
森の動物が、微動だにしないまま体を曲げて滑り行く礼子の姿を見てビビりまくる。
鳥や野犬の悲鳴が、礼子が下るのに合わせて道のように鳴り響いた……