霊務・ザ・ファイナル(霊務4)
歩く事数分。
本当に虫の音色くらいしか鳴り響いていない中、眠り猫の門の手前までやってきた。
この階段を登れば、憎き家康の元まで……
黒ガラスはついにと思い、笑みをこぼしながら足をかけた。
「待つニャ……」
……?
黒ガラスは振り返り、その姿を確認した。
そうしてそれが誰か確認すると、向きを変えて対峙しながら言葉を出した。
「そうだな……やはり門の守護神を倒さねば、ここは通れないか。だがちょうどいい。徳川家康に荷担する貴様も見つけ出し、始末せねばならなかったからな」
立ちはだかるは、眠り猫一匹。
徳川の誇りと家康の守護の為、参上仕ったのである。
「黒ガラス……お前みたいな徳川に仇なす者を、我が輩は放ってはおけない。決着をつけよう……」
「面白い……」
風が一層生暖かく流れる。
真剣勝負だ。
シャ!!
眠り猫が動くと、黒ガラスは息を吸い込んだ