あきれるくらい側にいて
そして、目と目が合ったんだ。
「キャッ ―― 」
思いっきり上げようとした悲鳴は
「起きてたんですね。おはようございます!」
場違いに爽やかな、そんな一言に消されてしまった。
…うっ うそでしょ……。
あたしはいま、ものすごく大きな衝撃を受けている。
それは、一ヶ月前に訪れたピンチに匹敵するくらい。
なんなの、この状況?
ただ確かなこと。それは……
今目の前にいるのは、
後輩の、阿久津 陽
だということ。
それだけはどうやら間違いないらしい。