あきれるくらい側にいて

　

忙しさに追われていると、一日というのはあっという間に過ぎ、今日も昨日に続いて残業になってしまった。

「お先にー」と定時で帰っていく同僚達。

そして恨めしそうにあたしを見ながら、っていうより睨みつけながら部屋を後にするリンちゃんの姿……。

数人になった室内を見渡し、あたしは目の前のパソコンのモニタに視線を戻した。


そこへ

「ただいま、戻りましたー」

外勤からハルが帰ってきた。


この時間になると、誰もがお疲れ顔になるのに。このコだけは朝も夜もテンションが変わらない。

ピッと背筋を伸ばし、まず係長の席まで歩いて報告へ。

次に課長のところへも行って、そのまま自分の席へ戻るのかと思っていたら、あたしのとこへ来て隣にヒョコっと立った。