あきれるくらい側にいて

開発研究課の係長も言っていたように、ひたむきだけど彼の内に秘めた熱さが、契約の決め手になったのかもしれない。


「ハルって……タイプかも」


隣で横顔を見ていたあたしは、無意識のうちにそんな言葉を口にしてた。

そしたら「エェーッ!!」なんて突然大きな声を発して、ゴホゴホと咽せたハル。


「もうっ 何やってんの?」


慌てて緑茶入りのペットボトルを差し出すと、それを受け取ったハルはゴクゴクと喉を鳴らし、そして口から離したボトルをテーブルに置いて、なぜか俯いた。


「……?」


その顔をのぞきこむと……。

咽せたせいかな? ハルの頬やおでこが赤くなっている。

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