姫とお菓子と俺

「優太…」

「ん?」


呼ばれて姫菜の方を見ると、彼女はフォークを口にくわえたまま俺を見ていた


「月曜日…家庭科あるよね」

「ん?うん」


姫菜の言う通り、俺のクラスは月曜日に家庭科がある

たしか、実習でクッキーを作る


「…」

「姫菜?」


黙ってしまった姫菜
もしかして…


「欲しいの?クッキー?」

「っ!!ち…違うわよ、馬鹿ぁ!」


そう言った姫菜は、真っ赤な顔をして、勢いよく帰って行った

もちろん、残りのチーズケーキを持って


「なんだったんだ?」

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