最後の人やな
第一章〜フラストレーション〜

冴えない男

深夜2時

「カタカタカタ」

俺はインターネットに目を向ける。

とはいうもののネットサーフィンと言うような立派なものとは程遠い。

ただ自分の生理的欲求を満たすために有益なサイトを探すだけである。

この探索はやっているときは夢のような旅なのだが、その後は悲惨だ。

ただ時間と体力を無駄にした虚無感と自責の念に包まれながら湿っぽい布団の中で短い夜と長い朝と少しの昼を過ごす。

朝(正しく言えばちょうど正午くらい)目を覚ますとたいてい家には俺一人しかいない。

テーブルに置かれた冷えた目玉焼きとベーコンを食べ、ぬるいココアを一気飲みし朝食兼昼食は終了。

夕方から大学の授業があるので適当に支度し、大学へ向かう。

大学といってもレベル的にはたいしたところではない。

ただ高校からのエスカレーター式の大学のためやたらと金持ちが多い。

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