KYOSUKE


「キョウスケ、大丈夫か?」


ヒバリのような声は心配そうに曇っていた。


「ったく。叔父貴も無茶するよな。第一お前未成年だろ?」


お嬢の問いかけに答えたかったが、俺は瞼を開けるどころか声も発することができなかった。


ただ死んだように、ぐったりと横たわってるだけ。


どうやら俺は相当酔っ払ったようだ。


こんなの初めて。


お嬢は俺が返事を返さないでも気にした様子でなく、


「今度言っておいてやるよ。あんまキョウスケに無理さすなって」


と軽く笑い声を立てた。


お嬢―――…今、笑ってるのだろうな。



見たいな……



お嬢の笑顔。





フワリと俺の体の上に何か掛けられた。


毛布か何かだろう。


「風邪引くなよ」


そう言い置いてお嬢の香りがほんのちょっと遠ざかる。





いか……行かないで―――





俺は自分の中で懸命に手を差し伸べた。







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