はぐれ雲。
「行ってくるよ」
「いってらっしゃい」
達也が玄関で靴を履いていると、チャイムが鳴った。そして鉄の扉をドンドンと荒々しく叩く。
博子は恐怖を感じた。
「俺が出るから、奥に入ってて」
達也は小声で言うと、ドアを開けた。
「あの!」
激しく息を切らせた、金髪の派手な格好の男が立っていた。
「ひ…博子さんは…!」
そう言って、男は部屋の奥をのぞこうと背伸びをした。
それを遮るように、達也が前に立ちはだかる。
不審な目でその男を見ると、「君は?」と尋ねた。
「お、俺は…その、なんて言うか…。
博子さんに会わせてもらえないっすか?」
「君が誰だかわからないのに、会わせるわけにはいかないだろう」
「そんな!ちょっとでいいんです。
博子さん!いるんでしょ!俺と一緒に来てください!」
「やめるんだ!近所に聞こえるだろ」
達也が男の肩を強く押した。
「…浩介くん」
その時、博子が部屋の奥から顔を出した。
「あの!一緒に来てください!
最後にちゃんと亮二さんと話をしてください。亮二さん、もう…」
「君は、新明の?」
浩介の肩をつかむ手が緩み、とまどったように達也は彼を見た。
彼は達也と博子に向かって、頭を下げる。
「このままだと、亮二さんも博子さんも、あの時と一緒なんだよ!同じ事の繰り返しになっちまう!それでいいはずないだろ?
博子さん、あんただって苦しかったんだろ?亮二さんも同じように苦しんでたんだ。
そばで見てて、辛かったよ。
あんな亮二さん、もう見たかないよ。
だから、最後くらい…
最後くらいあの人に、ちゃんとさよならって言ってやってくれよ!」
「いってらっしゃい」
達也が玄関で靴を履いていると、チャイムが鳴った。そして鉄の扉をドンドンと荒々しく叩く。
博子は恐怖を感じた。
「俺が出るから、奥に入ってて」
達也は小声で言うと、ドアを開けた。
「あの!」
激しく息を切らせた、金髪の派手な格好の男が立っていた。
「ひ…博子さんは…!」
そう言って、男は部屋の奥をのぞこうと背伸びをした。
それを遮るように、達也が前に立ちはだかる。
不審な目でその男を見ると、「君は?」と尋ねた。
「お、俺は…その、なんて言うか…。
博子さんに会わせてもらえないっすか?」
「君が誰だかわからないのに、会わせるわけにはいかないだろう」
「そんな!ちょっとでいいんです。
博子さん!いるんでしょ!俺と一緒に来てください!」
「やめるんだ!近所に聞こえるだろ」
達也が男の肩を強く押した。
「…浩介くん」
その時、博子が部屋の奥から顔を出した。
「あの!一緒に来てください!
最後にちゃんと亮二さんと話をしてください。亮二さん、もう…」
「君は、新明の?」
浩介の肩をつかむ手が緩み、とまどったように達也は彼を見た。
彼は達也と博子に向かって、頭を下げる。
「このままだと、亮二さんも博子さんも、あの時と一緒なんだよ!同じ事の繰り返しになっちまう!それでいいはずないだろ?
博子さん、あんただって苦しかったんだろ?亮二さんも同じように苦しんでたんだ。
そばで見てて、辛かったよ。
あんな亮二さん、もう見たかないよ。
だから、最後くらい…
最後くらいあの人に、ちゃんとさよならって言ってやってくれよ!」