それでも君が。
シンとする教室の中。
外からの風で、窓がカタカタと揺れた。
夕方とは言え、まだ夏。
外は明るい。
私は窓際に向かって歩き、開いている窓を閉めた。
「……私、本当に、秋山先輩の言う通りなの」
「は?」
私の行動を見てただけの藤堂君が、怪訝そうに言う。
「今までずっと、蒼君に頼って生きてきた。何かあっても、蒼君が何とかしてくれるって、心のどこかで思ってきたし」
「………」
「私、もっと、蒼君の力になりたいの。蒼君がいない世界なんて……考えられないから」
「……岩越」
窓から見える裏庭にある大きな木についてる葉っぱ達が、ユラユラ揺れている。
私の心みたいに……