それでも君が。
先生は、私達の方へと歩を進め、晴君が持ってる写真を受け取った。
「少なくとも俺には、お前の彼氏はひどい奴には見えねぇけど」
ギョッとした。
蒼君のことについて悩んでるなんて、一言も言わなかったのに……
いや、そもそも……
蒼君と付き合ってるって知ってたんだ……!
何だか急に恥ずかしくなって、愛しくもないプリントを意味もなく抱き締めた。
「それにコイツだって、“素っ気ない奴”とやらに分類されるんじゃないのか」
先生は、顔をちょっとだけ晴君の方へと向けた。
晴君は片目を細めて、先生を睨んでいる。
「晴君は優しいです!」
「へー。じゃあ蒼汰君とやらはどうなんだ」
──どうやら、自分から釣り針にかかってしまったようだ。
誘導尋問されてる犯罪者の気分。