それでも君が。
緩む顔を戻せないままでいると、ふと、彼の、私が捕まえている方の反対側の手が目に入った。
鮮やかな青のリストバンド。
──どんなに私への態度が変わっても、それだけは外さないでくれてるんだね。
それが、また嬉しい。
私……蒼君のことなら、どんなことだって嬉しくする自信がある。
もう、揺らがない。
蒼君が好き。
蒼君だけ。
大好きだよ……。
こんな風に、蒼君のことばかり考えてるから、私はダメなのかな。
自分の身は自分で守るものだって。
そんな当たり前のことさえ出来ずに……。
私はいつも、蒼君に寄りかかってばかり──。
それを思い知りたくなんてなかったよ……。