それでも君が。
どうして……?
どうしてそんな冷たい目で、私を見るの?
あんなに、あんなに優しい蒼君が……
あんなに優しい目で私を見てくれてた蒼君が……
どうして、そんな目をするの?
呆然とする中、ガチャッという音が耳に入った。
蒼君が、ドアを開けたのだ。
私の足は、勝手に彼に向かって駆け寄って……
蒼君が家に入ろうとするのを阻止するように、彼の腕を握った。
「蒼君っ……」
久々にこんなに間近で見上げる彼は、やっぱりカッコ良くて、素敵で……。
でも、私を映すその瞳だけは、何故か何の感情もない気がした。
「……触るなって言ったろ」
私が掴んだ腕を、また振り払う蒼君。
でも、今度は少し優しくだった。