それでも君が。




「……蒼君っ……何か、あったの……? 何か嫌なこととか……困ったこととか……」


「………」


「……っ何で急に……こんなに素っ気なくなっちゃうの? どうしてぇっ……? 私、耐えられないよぉ……」





言いながら、涙が溢れた。



もう、嫌だ。



こんな冷たい蒼君を、見ていたくない。



私のこと、全部好きって言ってくれた蒼君はどこ……?








「……別に何もない」





蒼君は一言そう呟き、私から目を逸らす。





「じゃあどうして!? どうして私のことちゃんと見てくれないの!?」


「あんまデカい声出すな」


「っ……どうして……? ずっと連絡もくれなくて……やっと会えたのに……! 夏休み、たくさん2人で出かけよって、言ってくれたじゃん! それなのに……どうしてそんなに冷たいの……?」


「冷たくなんてしてない」


「………」


「これが俺だ」





平然と、何の躊躇いもなくそう言った。




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