それでも君が。




だってね。



テレビを付けたら、天気のお姉さんが、今日の日付を言ってて。



それが、私がつけてる日記の日付と合ってた。



その日記には、蒼君と会えないってことばかり書いてて。



でも、去年の12月の私の誕生日に蒼君がくれたネックレスは、キラキラと輝いているし。



全部全部、現実。



夢だと思えるところが、一つもないよ。



あの優しい蒼君が、まるで別人みたいになっちゃったことも。



私を見る目が冷たかったことも。



夢だと思いたいのに、思えないよ。



だって、こんなに胸が痛いんだもん。



夢だったら、痛くないはずでしょ?



こんなに、こんなに痛いの。






「蒼君っ……」











でも、まだ別れた訳じゃないもん。



まだ、繋がってるもん……。



そうだよね、蒼君。



蒼君……。




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