アルホード王国
「お話とは…?」
リースの胸に不安感が広がる。
「リース、まぁ座れ」
リースは椅子に腰掛けた。
テーブルを挟んで、反対側に勉強机のようなものに向き合っていた、レオンが座る。
「リース、単刀直入に言う」
リースは無言で頷いた。
良い話ではなさそうだ。
「しばらくの間、5番隊を任せる」
「………え?」
「しばらくの間、兵士隊第5番隊隊長の座をお前に譲る」
「………は?」
リースは呆然として、上手く声が出なかった。
「俺はしばらく国を出る。その間、5番隊の隊長をやってほしい」
「じょ、冗談…でしょ?」
「いや、本当だ。やってくれるな、リース」
真剣な隊長の瞳にリースは頷くしかなかった。
「ありがとう」
「…失礼します」
リースは頭を整理する為、部屋に戻った。