アルホード王国


「お話とは…?」



リースの胸に不安感が広がる。



「リース、まぁ座れ」


リースは椅子に腰掛けた。
テーブルを挟んで、反対側に勉強机のようなものに向き合っていた、レオンが座る。



「リース、単刀直入に言う」



リースは無言で頷いた。
良い話ではなさそうだ。



「しばらくの間、5番隊を任せる」


「………え?」


「しばらくの間、兵士隊第5番隊隊長の座をお前に譲る」


「………は?」



リースは呆然として、上手く声が出なかった。



「俺はしばらく国を出る。その間、5番隊の隊長をやってほしい」


「じょ、冗談…でしょ?」


「いや、本当だ。やってくれるな、リース」



真剣な隊長の瞳にリースは頷くしかなかった。



「ありがとう」


「…失礼します」



リースは頭を整理する為、部屋に戻った。


< 16 / 27 >

この作品をシェア

pagetop