恋詠

摩耶乃が私を呼ぶ声が聞こえた


私は一体どうなったんだろう…




「―――ッッ!!」




パッと目を開けると、目の前一杯に広がる青空




良い天気だなぁ…




「って違う!!」




起き上がると、そこは見慣れない場所だった


草が生い茂り、目の前には広大な田畑




「こっ…ここどこぉぉおお!?」




何で私、こんなとこにいるの?


というかここは一体…




「おい、誰かいるぞ」


「何だ貴様は。今川の人間か?」




いま…がわ…?




「見慣れない格好だな」


「怪しい奴め…」




鎧…着てる…?


何で…何がどうなって




一人の男が私に刀を向けてきた




「立て女」




何…何なの?


この人たちは一体…




「聞こえなかったのか?さっさと立て!!」


「ひっ…」




刀の先を喉へと突き立てる




何で私、刀向けられてるの…?




何も分からないまま、とりあえず言う通りその場に立ち上がった




―――ザシュッ!―――




「な…に…」




目の前の男が突然、地面に倒れ込む


腹からは血を流している



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