フェロモン王子様VS天然お姫様
こんな言い争いを
続ける事、数分。

扉が開いた。

多分
柳瀬財閥とか言う人が来たのだろう。

あたしは
顔すら見たくなくて
下を向いた。

が、隣に座っているじいやに

「お嬢様。顔を上げて下さい。
相手の顔を見て見て下さい。
お嬢様の好きな人ですから。」

そう言われた。

あたしの好きな人。って。

あたしの好きな人は櫂君だもん。

櫂君が居るわけないじゃん。

そう思っていた時

「これって何なの?」

相手の声が聞こえた。

あたしは
急いで顔を上げた。

だって
この声は
あたしの好きな人の声だったから…。



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