ティッシュに涙と少しの残骸
彼女をちょっとつついたらその拍子で泣き出してしまいそうなくらいだ。躊躇いがちに星流の肩を抱いたら胸に頭を預けてくれた。
少し緊張しながらも反対の手で星流の左手を握ると強く握り返してきた。鼻をすする音が耳にかすかに聞こえた。握っている手を引き、抱きしめたら俺に素直に身体を委ねて泣き出した。
ううう、と細く泣き、時折しゃっくりをあげながら嗚咽を漏らす。彼女はきっとこうして欲しかったんだとなぜかそう感じたんだ。
あんな寒空の下で川に向かいずっとひとりで泣いていたのはこうして包んでくれる相手が居なかったから。星流の胸の内を聞かされて、はいどうぞと胸を貸してくれるひとはなかなか居ないだろうと解っていて言えなかったんだろう。

『…星流?』

髪を撫でながら優しく問う。俺の腕の中で小さく、何?と返事がかえってきた。

『なんで俺に話してくれたの?』

抱きついてた腕をするりとほどきため息を吐いてクッション1個分くらいの距離に離れてポカリを一口飲んでから

【猛に話したくなったから】
< 172 / 248 >

この作品をシェア

pagetop