ティッシュに涙と少しの残骸
美葉と映画デートした日からまた勉強の毎日。こんな俺を理解し、応援してくれる美葉をもっと大切にしなきゃと改めて思った。
勉強の息抜きはちー助の散歩とカフェオレ。自販機にしがみついて2本買う。
河原に着いたら、いつもの場所で泣いてるティッシュの子。毎日は見ないけど夕暮れ時に居る確率が高いな。いや毎日此処に来てないかもしれないけど。

『女の子は泣いててもカッコ悪くないから羨ましいぜ…』

カフェオレと一緒に独り言を飲み込んだ。髪の毛黒いな、しかもくるくるしてる…
どんな顔で泣いてるのかな
あっちは泣き顔なんて見られたくはないだろうけど。カフェオレの缶を右手に持って立ち上がる。
一歩、二歩と彼女に近付く度に泣き声が大きくなってゆく。

【うっ…うぅ…、まゆきぃ…】

俯いて肩を揺らしながら泣いているから顔は窺(うかが)えない。

『そんなに泣いて疲れない?これでも飲んで落ち着いたら?』

ビクッ!と一際大きく肩を震わせ…ゆっくり…ゆっくり、俺の居る方向に躊躇いがちに頭を動かした。
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