ティッシュに涙と少しの残骸
私が運ばれてきた時の主治医が他の病院に転勤になり担当が日浦医師に代わった旨を簡潔に説明してくれた。
前の主治医の顔も名前も知らないのにわざわざ説明してくれるなんて丁寧だなぁ。覚えてる訳ないじゃない。だって気絶してたんだもの。

「何か有りましたら呼んでくださいね。失礼します」

一礼をして挨拶を終えて病室を出ていった。ほのかに男性の香りが私の鼻腔を刺激する。なぜだか胸がきゅうっと縮んだ。

「田村さん、私の両親は元気ですか?みな…市原さんたちは?」

一瞬表情を曇らせたけどまた微笑んで詳しくは日浦医師に聞いてくださいねと早々と退室して行っちゃった…
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