キミが翔ける道
…気にしてくれた?




過去形にした言葉を理解して、口を開いた彼が気にしなければ、こんな話し相槌を打って終わるはずだと思った。




「なーに?気になる?」




彼の隣に降り、顔を除き込むように見ると、彼は顔を背けて「…別に?」っと言った。




私は“調子に乗りすぎた”と反省して前に向き直った。



保健室に入ると、電気がついていなかった。




「開いてるのに何で先生いないんだよ?」




そう言って保健室に入ると電気を付けた高梨くん。


保健室独特の、白い壁や薬品の香りが漂っている。




「座って?」




「え?」





椅子へ促され、驚いて聞き返した。

すると彼は馴れた手つきで引き出しから湿布を取り出すと、ペリッと剥がしながら私に微笑んだ。




「貼ってあげる。」




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