幸せの残量─世界と君を天秤に─
「……人、多いですね」
「ああ……」
取り敢えず、街の大きなショッピングモールに来てみたものの、やはり休日なだけあって人、人ヒト。
「迷子にはなるなよ」
「なりませんよー。子供じゃないんだから」
「どうだか」
「……どういう意味ですか」
「そのままだ」
……。つまり私は迷子になるほど子供だ、と。そう言いたいわけですか、ええ?
「んじゃ、放すなよ」
「……放しませんよー」
握った手に力を込めた。
ごった返したモール内。目の前に見えるのは大好きな背中。
離れるわけ、ないじゃないですか。