フラワーデイズ
30分番組のミツバチ君が終わり、3人でテーブルを囲んで朝食をとる。

テーブルの上には温かそうな白いご飯と、鮮やかな色の野菜で盛られたサラダ、太陽が浮かんでいるような目玉焼きが置いてある。

「葵、今日はいい所に連れてってやるからな」

「いい所?どこに行くの?」

「動物園よ」

「動物園?!」

葵はまるで瞳の中にお星様を取り入れたような、キラキラの眼差しを私たちに向けた。

子供特有のその瞳が本当に可愛らしく感じる。

「葵は動物園に行くのは初めてだもんな。動物園は楽しいぞ~」

「葵、動物好き!」

「パパも好きか?」

「うん!」

この答えにはパパも大満足のようだが、どうやらパパは結構しつこい性格の持ち主のようだ。

「今日は葵の誕生日だから、大きなケーキ食べようね」

「やった~!」

口元にご飯粒をつけて笑顔で喜ぶ我が子を見て、私とパパは顔を見合わせて、今ここにある確かな幸せを実感した。

そう…今日は葵の5才の誕生日なのだ。

葵が産まれてから、もう5年がたつ。

2007年5月13日、日曜日。

ここまで来るのは本当に早かった。

まるで人生のビデオテープを早送りしたのではと思えるくらい、産まれたばかりの葵がここまで大きくなるのは早く感じたんだ。


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