ヤクザに愛された女 壱


にっこり笑う勇気に、
めまいを感じた。


何も知らない勇気が、
悪魔に見えた。


「……ありがと」


あたしはそれだけ言うと
床に座りこんだ。


あたしが出会った男は、


あたしが助けてもらった男は、


ヤクザで、しかも若頭だった。


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