オトナな初恋
『…いや?』



「そんなことないです!」

って!!
何て返事してるの!?

家なんて密室で気まずい空気…
絶対…耐えられないって!


『おい。』


声をかけられて、我にかえった。


車はすでに駐車場に到着してた。


『早く降りないと、置いてくぞ?』


慌てて車を降りる。


もう、ここまで来ちゃったら、なるようにしかならないよね…。


気まずくならないように、TVとか付けて、お笑いとか見てれば、案外、修復されるかもしれないし…






部屋に着いてソファへ座るように促される。拓海さんはキッチンへ向かう。


ソファの背もたれには脱ぎ捨てられたYシャツがかかってた。



本当に急いで着替えたんだな。


そう思って手に取る。


『邪魔だよな、それ洗濯するやつだし、そこら辺に置いておいて。』


「洗濯カゴにいれときましょうか?」


『あぁ、じゃあ頼むな。トイレの横に脱衣所あるから、そこにあるカゴに入れといて。』


「はい。」






カゴに入れるとき、そっと鼻を近づけた。





…よかった…
シャツからは香水の匂いしないや…




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