オトナな初恋
『またぼーっとしてる…
なぁ、どんな考え事してんの?』


キッチンにいたはずの、拓海さんがいつの間にか、隣に座ってた。


『…どんな事考えてたか知らねーけど、一緒にいるときは、俺の事だけ考えててくれよ。』



「ずっと…拓海さんの事ばかり考えてます。今だって、私…」


聞きたい事が、あって。と言おうとしたのに、言えなかった。


「んッ…んん!」


勢いよく塞がれた唇。


『そんな事言うなよ。嬉しすぎ。』



一度唇が離れた時に、続く言葉を言おうとする。

「拓海さん…私…話があるんんッ? ふ…ッ …んッ…」


また塞がれる唇。
話があるのに…
拓海さんからのキスで段々と頭の中がボーっとしてきちゃう。


しかも今度のキスは長くて、息もするのがやっと。





漸く唇が離れた頃には、私は肩で息をしながら拓海さんにもたれかかっていないと、座っていられない状態だった。





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